子どもの躾へのアプローチ ~イヤイヤ期2~

子どもの躾は、社会生活に適応するために望ましい生活習慣を身につけさせることです。大人になって困った人と言われたり、非常識と言われない為にも大人の義務として行いたいですね。子どもは、真っ新なキャンパスです。これから大人がどう接していくかによって、性格や習慣が違ってきます。それは子どもたちの『生きやすさ』『生きにくさ』にも繋がってきます。そして、これから長い間躾を行っていくわけですが、何事も最初がベースになりますから丁寧にしっかりと乳幼児期に関わってあげたいですね。

「イヤイヤ期1」の子育ての流れを見て頂ければ、イヤイヤ期が自立の1歩であることはお分かり頂けたと思います。お子さんは、順調に成長し一人の人間として旅立つ日の為に歩き出したのです。そして、これからの大人の対応が性格や将来の子どもが作る家庭にまで影響を与えると思うと重要な時期に来たという合図でもあります。

じゃ、どうやってイヤイヤ期の子どもに接したらいいのでしょう?

これまでと対応を変えなければと思うけど、躾もしないといけないけどどうしたらいいのかわからないと思いますよね

◆イヤイヤ期の対応

一緒に子どもの発達の状態から考えてみましょう

1.この時期の子どもは、大人が思っている以上に色々な事を感じ理解出来ます。
2.この時期の子どもは、自分が未熟だという事もしっかり理解しています。
3.この時期の子どもは、理解と表現がうまく噛み合わずモヤモヤ・イライラします。
4.この時期の子どもは、知らないことが多く将来が見通せないので不安がいっぱいです。
5.この時期の子どもは、自分が自立したいと思っていることを知って欲しいと思っています。

だいたい、このくらいを理解した上で躾の時期だという事を頭に置いていれば子どもの行動が理解できるようになると思います。

具体的にどのように対応していくかですが、イヤイヤ期の『嫌』には色々な嫌があるのです。

1.この時期の子どもは、大人が思っている以上に色々な事を感じ理解出来ます。

大人同士の人間関係や上下関係。大人ひとり一人の性格。コミュニケーションの取り方を学んでいます。そして、言葉を溜めこむ時期でもあるのです。言葉は、まだまだあまり出ていなくても理解できることはとても多いと思ってください。

こんなにわかっているので、赤ちゃん扱いされると何もかもが『』になります。

一人の人間として扱って欲しいと思っていますので、何かする時はきちんと説明する事が結構大事です。また、「これの後は、こうしてこうして、そしてこうしようね」等、見通しを持たせると安心します。保育園でも朝泣いている0歳児に「お散歩行って、ご飯を食べて、お昼寝して、おやつを食べたらママ来るからね」と繰り返し話し、実際にその通りになると言葉と行動を結びつけ、それを言った大人と信頼関係を築いていけます。

また、この時期の子どもは『良い事=褒められる』『悪い事=叱られる』と言う事が体験を通して理解しようとします。何度も悪いことを繰り返すように見えますが、悪いことをしようと思ってやっているのではなく、『ダメだよね?』と確認している要素が強いようです。

なので、静止の言葉を教えるのも大切で『ダメ』と言うときに表情や行動も共に伝えるとわかりやすいでしょう。叱り方は、別件でお話しします。

話は戻って、『ダメだよね?』と確認している。叱られると思っているのに放置されたり、ニコニコと「ダメよ~」と言ったりしていると混乱と同時に、悪い事ではない。大人が反応する事だと思い更に繰り返すようになります。子どもが悪いことをしたら、きちんと叱ってあげることも混乱させない、正しい事を伝えていく大人の役割です。

幼いからわからないと思わず、しっかりと説明をして見通しを持たせる事は大事という事ですね。そして、叱るべき時は叱るという態度も必要です。

2.この時期の子どもは、自分が未熟だという事もしっかり理解しています。

自分が未熟だという事を知っている子どもは、どんな大人が好きかといえば

●自分より強く・信頼に値する人

●自分に愛情を持っている人・許容力がある人

●自分の事を理解してくれる人

●心が安定している・ブレない・迷わない人

こんな感じでしょうか。

子どもは、自分が未熟だからこそ自分より強い人に安心感を持ち、その人と関わるうちに嘘をつかない、自分の事を好きである、叱ってくれるけど許してくれる、待ってくれるし導いてくれる人に命を預けたいと思っています。それは、動物の本能に近いものがあるでしょう。

命を預けるには、自分の力を出し切って拒否をします。そこで、どう大人が対応するのかを見るのです。怖くてもダメ、言う事を聞く人、右往左往する人、機嫌を取る人、叱れない人、感情的になる人なども信用しない又は、自分の下だと判断します。

心が不安定だったり、自分に対して困ったと思っていると話さえ聞こうとしません。

それどころか、上手に使って思い通りにしようとする技も身につけていきます。

まだまだ、言葉が発達していない分本能や勘が鋭く相手の本質を見抜く時期だと言われています。

 ダメな事、よい事を子どもの態度に左右されることなくしっかりと愛情持って伝えていける大人であれば良いという事ですね。こんな大人『』と思われないように。

3.この時期の子どもは、想いと表現がうまく噛み合わずモヤモヤ・イライラします。

なにより、わかるけど伝える手段を持たないこの時期はモヤモヤ・イライラの時期となります。大人がイメージするとしたら、『初めて聞く言語の外国に行って伝えたい事はあるけれど、その手段がわからない、出来ない。』と言った感じでしょうか。

例をあげると、『不安・甘えたい』と思っていた子どもがいるとします。

不安や甘えるという気持ちは、子どもの引き出しの中にないので表現出来ません。どうやって伝えたらいいのかさえ分からないのです。だから出来る事をやります。取りあえず泣きます。何をやっても泣きます。とにかく泣きます。・・・しつこい(笑)

しかし、よく見ていると不満なのか不安なのかは泣き方でわかります。そこで、子どもに2つの事を伝えます。

まず、泣かない事 そして、泣かない状態だったらいつでも抱っこする事

泣くことは、この場合ふさわしくない事を伝えた上で、その気持ちが解決する方法を教えるのです。繰り返し伝える事で、泣かなくても抱っこしてもらえば不安が薄らぐ事を覚えます。

そして、泣かずに抱っこして貰えたら、更に『泣くのやめられて偉かったね。泣かなくてもいつでも抱っこするからね。抱っこって言えばいいんだよ』と伝えます。

正しい行動と結果を伝えていくのです

そして、余裕があれば『不安になったんだね、大丈夫だよ。あなたのそばにいつでもいるからね。大好きだよ』と伝えてあげると、この気持ちは不安だったんだ!と学ぶと共に、この人は自分に愛情を持ってそばにいてくれて大丈夫なんだと少しづつ理解します。

 このように、子どもの気持ちを代弁したり共感したりしながら、更にそれがどうしたらいいのかの方向性を示してあげる事が大切です。それが、理解を深め言葉を引き出す事に繋がっていきます。どうか、子どものなんだかわからなくて『』を助けてあげてくださいね。

4.この時期の子どもは、知らないことが多く将来が見通せないので不安がいっぱいです。

よくイヤイヤ期のお子さんに大人が間違った声かけをして更に事体が悪くなっているのを見かけます。

例えば、お出かけの際になんだか「イヤイヤ」言い出しました。

「どうしたいの?行くの?行かないの?」・・・だいたい、行かないという

「準備しないなら置いていくよ」・・・泣く、ごねる、いいよと言う

「どうしていつもそうなの」・・・・わかってくれないからだよと思ってイジケル

「早くしなさい」・・・・更に不貞腐れる

「後で〇〇買ってあげるから、しなさい」・・・〇〇買ってあげると言われるまで、毎回「イヤイヤ」となる

子どもなりの何か主張があるのだと思いますが、急いでいる時は困って早くやる方向の言葉かけをしてしまいますね。このような取引や脅しは、やるたびに耐性がついてきて相手がどんどん大人が嫌がる方向に考えや行動が向くことが多いです。

お出かけを嫌がる原因やそこまでの対応で子どもが何か感じる事があって、そうなっているのでそこを話してあげましょう。

※お出かけするよと突然言われて戸惑いから来る「イヤイヤ」の場合

「これから、夕食のお買い物に行って、帰ってきたらご飯作るから一緒にお買い物についてきて欲しいの」とか「お買い物行くよ~トマト買おうね!」等、何をしてほしいのか、これから何が起こるのかを話してあげると納得します。

※お出かけする前に何かがあって不満からの「イヤイヤ」の場合

「ごめんね、お出かけ準備でかまってあげられなかったね。これから、一緒にお買い物行こうね。一緒にいてくれるとお母さん助かるな」など、子どもにも謝罪の言葉を伝える事が大切です。そして改めてやって欲しい事を伝えます。この大人の謝罪を聞けると子どもも謝罪が出来る子になります。
 このように、子どもの気持ちを汲んであげるのですが、汲み過ぎて子どもに全権を与えてしまったり、子どもに振り回されても「イヤイヤ」は酷くなるので気を付けましょう。
「あなたがしたいようにしていいのよ」は、もっと多くの事を理解した上での言葉かけとなります。子どもとしては、わからない事聞かれるのも、言われるがままにやらないといけないのも『』なのですから。

5.この時期の子どもは、自分が自立したいことを知って欲しいと思っています。

子ども達の持つ特性として、向上心があります。それは、生きるために自立を目指しているのです。種を残して行く為には、生きる事や自立する事が不可欠なのでこれは本能とも言えます。

そこで問題なのは、大人が赤ちゃんのままの感覚でいて先回りしすぎたり、お世話を焼きすぎたりする事です。子どもは単に「じぶんで~」と言いますが、この自分でのなかにはいくつかの意味が含まれています。

・出来ないかもしれないけど、まずはじぶんで挑戦したい

・じぶんでやれるように練習したい

・じぶんでやれる段階を見ててほしい

・じぶんも今日は出来るかもしれない

など、自分でのなかに沢山の想いが込められています。

こんな気持ちで「じぶんで~」と言っているのに、わかってくれない大人は「」と得意の「イヤイヤ」と泣きが始まるわけです。

自立を目指すのですから、今できるより少し上に挑戦していく事が出来るのは生きる力にも繋がるのは前述の通りです。保育者としては、甘える子に「自分でやってごらん」と声をかけてあげられるくらいになって欲しいです。

忙しいと思いますが、子どものやる気や向上心の芽を摘まないように大人は待ったり、見守ったりしてあげたいものだと思います。

もし、どうしても急ぐときは

「今日は、急いでいるからちゃんと待ってあげられなくてごめんね。ここは、お手伝いさせてね。今度ゆっくりじぶんでやってみせてね。」ときちんと謝罪と見通しを持たせることで納得します。

子ども達は、単に「イヤイヤ」言っているのではないのが伝わったでしょうか?

大人が態度を変えるだけで、子どもの「イヤイヤ期」はあっという間に終わることもしばしば・・・頑張りましょう。そして、子どもも大人も困った時期をお互い早く抜け出したいですね。

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